この商館時計は、フランスの商館 オッペネメール兄弟商会が、明治30年（1897年）頃に日本向けに販売していた懐中時計で、ムーブメントに「Oppenheimer frères」の刻印があることから初期に近い頃のものと思われます。横浜で創業され神戸にも支店を持っていました。 ケース裏蓋には、銀無垢の0.800とホールマーク、オッペネメール兄弟商会の２羽の鶴が刻印されております。 製造年は初期のものと思われ約120年ほど前のものと思われます。 商館時計は、日本の時計史において先祖とも言える貴重な存在ですが、古いものですから黒く動きも悪いものが多く出品されていることもありイメージは良くありません。 今までに商館時計は多く扱ってきましたが、商館時計の魅力を知って頂きたく、出品に際し、これまで以上に手をかけております。 ケース・針など磨き仕上げを施し、文字盤・ムーブメントなどを洗浄、分解掃除を行っておりますので問題なく稼働しております。 手にとって頂くとわかりますが、明治当時の新品のような輝きを取り戻しております。ムーブメントも経年による劣化はありますがムーブメント表面の保護の観点から磨きは行わず洗浄を行いましたので写真よりも輝いております。 焼き物の琺瑯文字盤はヒビもなく、石で装飾された金色の時針分針も大変綺麗な状態で輝きを放っております。 時刻合わせはダボ式で11時位置のダボを爪で押しながら行います。 リューズを押すと裏蓋が開き、中蓋ガラス越しにムーブメントを楽しむことができます。この時計は14石のルビーが施されておりました。赤いルビーの周りの金色の枠はルビーを固定している金無垢製のシャトンと言われるものです。 本来の姿を取り戻した大変綺麗な希少な商館時計となっております。商館時計の魅力を感じて頂けますと幸いです。 【商品情報】 横幅：55.0mm 縦幅：73.3mm（リューズまで）／82.7mm（環まで） 厚み：18.9mm 重さ：120.13g ※稼働確認済み（分解掃除済み） ゼンマイ ■手巻き式ムーブメントですので1日1回くらい巻いてやる必要がございます。 ■現在稼働していますが、アンティーク時計となりますので精度及び稼働を保証するものではございませんので予めご了承ください。